最近、健康食品や化粧品でプラセンタと呼ばれるものが注目されています。プラセンタは英語で胎盤という意味ですが、健康食品や化粧品で使われているのは胎盤そのものではなく、胎盤から細胞分裂を促進するグロースファクタという成長因子や他の栄養分を抽出したプラセンタ抽出物となります。

胎盤は母体から栄養を取り出し成長因子を作り出すのですが、単なる栄養成分だけではなく、細胞の分裂を適切にコントロールする成分が含まれていることがわかっています。　これを、専門用語で「細胞増殖因子」 ともいいますが、この成分は、もともとは胎児が子宮の中で驚異的な成長を確実に行うために必要とされるものです。

プラセンタは怪我などでダメージを受けた細胞や、細胞分裂が必要になってきた古い細胞を新しい細胞に作り換える働きを促進すると考えられています。細胞のリフレッシュもさることながら、血流や情報伝達物質、ホルモンバランスなどの改善にも効果があって、肌をキレイにしたり、体の調子を整えたり生命活動のレベルをアップさせてくれます。

このため、やる気が出てきたり、活き活きとした生活へと導いてくれるのです。プラセンタには肝臓病や婦人病の注射や薬品として認可されている製品もあるくらいで、健康食品や化粧品に応用されているのもうなずけます。

プラセンタ抽出物を使った化粧品は現在いろいろなものが発売されています。基本的には肌に対して美白効果やシミやそばかすが薄くなるなどの効果を訴求したものになるわけですが、プラセンタは身体の持つ自然治癒力を引き出してくれるのが特徴です。

例えばシミですが、肌のシミはメラニンという色素が皮膚に沈着してできるもので主な原因は紫外線です。人間は太陽の紫外線に長時間当たっていると、皮膚、目、免疫系への疾患を引き起こす可能性があります。大気で除去されるUVCについては以前ほとんど意識していなかったのですが、UVCは高エネルギーなので、UVAやUVBより危険で、皮膚を形成しているコラーゲン繊維に損傷を与えて皮膚の加齢を加速させていまいます。そこで人間の体は紫外線照射に対する防御として茶色の色素であるメラニンを分泌して日焼けさせることにより、紫外線の平均レベルを下げようとする働きを持っているのです。

ところが、健康な皮膚ならば作られたメラニンは絶えず体外に排出されるのですが、体内のバランスが悪く、メラニンが作られすぎたり、新陳代謝が少なくて体外に十分排出されなかったりすることもあります。そうすると皮膚に残ったメラニンがシミとなるのです。ここでプラセンタの出番なわけですが、プラセンタにはこのシミができてしまうのを防止する機能と、メラニンの排出作用を促進する効果のあることが知られています。プラセンタの効果のひとつはこういうメカニズムに基づいています。

シミと共に肌の大敵なのがシワです。シワには小ジワと大ジワがありますが、どちらも全く歓迎されませんね。皮膚というのは一番外側の表皮の下に真皮、その下が皮下組織というように3層構造になっているものです。表皮を拡大してみると更に４層になっていて、その１番表面は角層と呼ばれる膜で覆われています。

小ジワは肌表面の角層の保水量が低下して乾燥することによって起こります。大ジワは真皮の網目構造が壊れてできます。真皮は約3mmの厚さで、繊維芽細胞によって作られた組織の形を保つコラーゲン線維と弾性を与えるエラスチン線維とで網目構造をつくっており、その隙間を水分を含んだヒアルロン酸等のムコ多糖類が埋めることで肌の張りや弾力を生みだしているのです。

ところが紫外線の中でも波長が長く真皮まで届くＵＶＡによって繊維芽細胞を傷つけられ、コラーゲンやエラスチンが作れなくなり、真皮の網目構造が破壊して壊れて大ジワとなります。更に、年齢とともにコラーゲンやエラスチンは減少していきますからシワは増える一方です。プラセンタはこのようなシワに対してもシミの場合と同様に、皮膚組織を保護したり、皮膚機能を活性化させることで損傷を回復していく力があります。

お化粧する時、どんなにファンデーションをしっかり塗っても、元がカサカサの肌では、カバーしきれるものではありません。又、ファンデーションに頼る前に美肌のためには素肌を磨くのが一番です。その素肌をみがくのに役立つのがプランタの基礎化粧品です。

一般的に基礎化粧品とは洗顔料、化粧水、美容液、乳液など、肌質を整えることが目的の化粧品で大切な働きをしています。スキンケアの基本は清浄、保湿、保護の３ステップですが、清浄とはメイクや肌の汚れ、皮脂を落とすことです。次の保湿では化粧水や美容液を使って洗顔後の水分を補います。そして保護では乳液やクリームなどの油分で肌に水分を保つようにするわけです。

この中でも保湿はスキンケアにおいて大切な要素となります。潤いを保つ機能は２０代から徐々に低下していくといわれ肌の若々しさも当然失われていくわけです。従ってこれを補う水分補給が必要になってくるわけですが、そのサポートをしてくれるのがプラセンタの基礎化粧品です。

プラセンタは大切なキーポイントである保湿に大きな力を発揮するのです。肌の潤いを保っている成分は皮脂とセラミドを主成分とする物質から構成されているのですが、この力が減少すると肌が乾燥してきてしまいます。しかしプラセンタにはこのセラミドの生成を促進するという効果があるので保湿効果を持続できるようになるのです。

化粧品が合わないとか、皮膚がかぶれたといった経験を持つ人も多くいると思います。製品の表示では低刺激と記載してあっても、たまたま肌に合わずにトラブルが発生することもあります。

この原因は肌の抵抗力が低下して敏感肌になっているからです。体にはもともと免疫機能があって細菌やウイルスが侵入しようとするとこれを排除しようとします。これはアレルゲンと呼ばれ、これに対抗するための抗体が体内で作られます。又、排除しようとする働きを抗原抗体反応といいますが、この抗原抗体反応がマイナスの反応をしてしまうことがあり、これがいわゆるアレルギー反応と呼ばれるものなのです。

化粧品等の肌のかぶれはこのアレルギー反応の場合が殆どであり、化粧品中の成分がアレルゲンとなって免疫の過剰反応が炎症を引き起こすのです。又、抵抗力が落ちている時も、肌のバリア機能は低下していて、肌の深くまで化粧品の成分が入り込み刺激となってしまいます。

こんな場合にはプラセンタが役に立ちます。プラセンタは抗アレルギー作用があるのが特徴で、免疫賦活作用や炎症を抑え、破壊された組織の修復を促進する作用も報告されているのです。従ってプラセンタが配合された化粧品なら、皮膚がアレルギー反応を起こしにくく、刺激でかぶれを起こしたりすることが殆どありません。プラセンタは他にもアトピー性皮膚炎やにきびの炎症にも有効であるといわれており、不足したものを補い、過剰なものを抑制するという働きによって肌本来の持つ自然治癒力が高まるのが評価をされる点なのでしょう。